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ひめゆりの塔

琉球大学での集中講義のあいまに
山里氏の案内で、ひめゆりの塔を訪れた。

地下室の展示を見る。
人間の陥る地獄
六道を輪廻するばかりで
三悪道・さんあくどう・から抜け出せない
人間の愚かさ。

人間の業の深さを痛感し
乙女たちの悲惨な最期に
私たちはぽろぽろ涙を流した。


そよ風

よりによって夏のいちばん暑い時期
住職にはお盆の棚経のおつとめがある。
一軒一軒、お宅を訪ねて飾られた盆棚の前でお経を誦・よ・む。
何軒も回っているうちに
次第に三昧の境にいる。
お経を誦んでいるのは私なのか、誰か他の人か。

汗びっしょりになりながらお経を誦んでいると
後ろからほっとするような涼しい風が吹いてきた。
これは有難い、と誦みおえてうしろをみると
タカエちゃんが団扇でゆっくりあおってくれていた。
扇風機はしばしば有難迷惑のことが多いが
人の手による団扇の風は格別だ。



とんぼの母さん

雨上がりの昼下がり
道のくぼみに水たまりができている。
どこからか飛んできたとんぼが
ちょんちょんと尻を水につける。

こんなところにボクたちを産んじゃ駄目だよ。
しばらくは水たまりになっているけど
時間がたてば水なんか乾いてなくなっちゃうんだから。
そうなりゃ、ボクたち全滅だ。

目先の水に騙されないで
ちゃんといい場所を選んで、よ母さん。





        
【大航老師】

ふと思い出す
妙心寺の小方丈でいただいた言葉。
当時の妙心寺管長だった大航老師
「君は英語ができるそうだな
これから宗門のために英語を通して貢献するといい」
そんな趣旨の励ましをいただいた。
「宗門」はさておき
世界のあちこちにいる真摯な求道者たち
そんな人々のためなら私の志は一致する。
大学院生だった私が進もうとしていた道へ
力強い後押しとなった。

                  
 

For therese


She has changed many times,
First monk robe,
Then in girl's skirt,

Then in gown,
Then in lady's suit.
Therese, you're a Bodhisattva
Of transformation.

On a sunny day,
We sat by the warf, penetrating
The height of the sky,
The depth of the sea.
A strong wind was blowing
Againsu us; I saw
Therese's mind blown away
Only to cover,I knew,
The whole Turtle Island;
Pehaps,it would reach
The other end
Of the Pacific Ocean.

Therese isn't so tall:
Almost of my height.
If we happen to walk
Toward each other,
We may naturally
Kiss. (August 1983)

                  


                               承元寺住職 重松宗育著
                               愚中庵詩集⑦「黙々と淡々と」 より







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