父と子と

父に

こんなふうに

父に遊んでもらったことが

あっただろうか

こんなふうに

父に甘えたことがあっただろうか?

海軍上がりの父はとても厳しい人だった


いつも厳しい顔をしていた

いつも厳しい顔で世の中を視ていた

幼き日の私に似た少女の横顔には

安心と全幅の信頼感に満ち満ちている


父は大きな存在であった

その威厳の前で甘える事は許されなかった

甘えることを封印してしまった

厳しいひとではあったが、力持ちで 凛々しくて、自慢の父でもあった。

苦労の絶えない人生ではあったが、天寿をまっとうした

澄んだ青空の広がっている冬の日に父は逝ってしまった

その妻と、三人の子らを残して

荘厳なる最期であった